マンモス西

マンモス西の生き方というのは面白い。
鑑別所に送られるほどの悪事を働き、当初は鑑別所のボスで手下にジョーをリンチさせる極悪ぶりを見せたが、
ジョーにのされてからは急に大人しくなってしまう。
ジョーの人物というか強さに魅せられたのだろう。その後少年院でのジョーの脱走を援助しようとするなど、完全に
ジョーの味方になり、少年院出所後はジョーと同じく丹下ジムに入門している。
マンモス西はジョーのように順調に強くならず、減量から逃れようと夜中に隠れてうどんを食べている
ところをジョーに見つかり、ジョーに自分と同じプロボクシング界に住む人間ではないとこきおろされてから
真面目にボクシングに取り組むようになる。だが、やがて拳を痛めてボクシングを辞めて林屋の店員になり、
その店の紀子と結婚する。
ジョーの理解者でありながら、結局はジョーの住むボクシングのリングから離れ、普通の幸せをつかんだのが
マンモス西だ。マンモス西がいなくてもストーリーは成り立つが、マンモス西という男の存在のおかげで
ボクシングの厳しさ、ジョーのボクシングへのこだわりというものがより際立っている。
マンモス西も西で「あしたのマンモス西」だった。彼もは林屋の店員として仕事に一生懸命に取り組み、
ジョーのように完全燃焼しているのだろう。
ただ原作で最後のホセ戦でマンモス西が登場しないのはやはり寂しい。