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奇妙な再会・・・。 [空想]

これは、まだ夢の中なのだろう。
そんな奇妙な自覚があった。意識は変にはっきりしているのだが、体が思うように
動かない。何よりも自分がいる空間が変だ。
誰かが自分を呼んでいる。そんな気がした。
昨年我が家、というかこの世を去った白猫らしき後姿があった。
その姿を見てなんとなくわかった。鳴きはしないけれど、自分の存在を
気にして欲しいときの猫の態度だ。声をかけようと思った瞬間、きっと、声を
掛けると夢から覚めてしまうんだと思い、とどまった。折角、夢の中でも猫に
再会出来たのだ。心の中で猫の名前を呼んだ。突然猫が尻尾を振って見せた。
機嫌よさげだ。少しほっとした。猫は何故か振り向かない。目が合うとそこで夢が
覚める。そんなルールなのか・・・。夢の中にしては変に頭が働く私・・・。
今度は私自身が猫に背を向けてゆっくり歩いてみた。猫がちょっと慌てて、私の方に
走ってくる。生前、私にはそう滅多に甘えない猫だった。兄に少し距離を置き、
時に気まぐれに甘える妹といった感じの猫だった。
とうとう、私が根負けして振り向いた。猫は思わず私の視線をそらすように顔を背ける・・・。それでも、思わず私の方に振り向いた。少し、悲しそうな、それでも懐かしいと
いった顔で一声ニャアと鳴いた。私は思わず「しまった!」と思った。そこで、猫の
名前を呼んだ。猫は少し嬉しそうな顔を見せた。スーッと消えていった・・・。
時々でいいから、会いたくなったら、また夢の中に出て来ていいよ・・・。
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