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主要国、消費税が頼り 税収の2割に [今日の日経記事から]

主要国で消費税への依存度が高まっている。日本が平成の始まりとともに導入し、税収の軸足を所得税などから移してきたのと同じように、先進国の税収に占める比率は約30年間で2倍近い20%に上昇した。グローバル化とデジタル化の加速で企業や個人の所得は正確な把握が難しくなっており、消費への課税は一段と進みそうだ。

税金には負担者がそのまま納税者となる「直接税」と、負担者と納税者が異なる「間接税」がある。直接税は所得税や法人税など。間接税の代表が幅広い製品とサービスに課す消費税で、ほかにも酒税のような特定の品目ごとの税がある。

日本は平成の30年間で消費税を軸とした間接税シフトを続けてきた。平成の初めに国と地方を合わせて79対21だった直接税と間接税の比率は、2018年度には68対32に変化。10月に消費税率を引き上げる19年度は67対33(国税では58対42)となる見込みだ。

この間、世界でも日本の消費税に相当する付加価値税が拡大した。経済協力開発機構(OECD)によると18年末時点で168カ国が採用し、1990年の3倍超に増えた。OECDに加盟する先進国では税収(社会保険料を含む)に占める比率は85年に11%だったが、16年には20%まで高まった。

日常の消費に広く課税する付加価値税は法人税や所得税より景気変動の影響が小さく、社会保障などで拡大する財政を支える税として頼りにされている。同じ間接税でも酒など特定の製品やサービスへの課税は負担が偏るため縮小されてきた。

付加価値税とは反対にじわじわと存在感が下がってきたのが法人税だ。17年までの10年間で、主要先進国のほぼすべてで低下。英国は10%から8%強、フランスやドイツは7%前後から5%前後となり、日本も17%弱から13%弱に下がった。

低下した原因の一つが企業活動のグローバル化だ。各国は法人税率の引き下げにより、工場や地域本社の誘致を競い合うようになった。さらに経済のデジタル化が進み、利益の源泉がモノからノウハウやデータに移ったことも影響している。

IT(情報技術)大手などはこうした無形資産をアイルランドといった法人税率の低い国の法人に置き、そこに他国の法人が収入の一部をロイヤルティーやブランド料として払う仕組みを構築。他国の法人の利益を圧縮し、全体の納税額を抑えている。EY税理士法人の角田伸広会長は「80年代以降、積極的な税務戦略をとる米国企業が登場してきた」と語る。

企業の利益からの徴税が徐々に難しくなり、主要国は消費税のような取引ごとの課税や売上高への課税に活路を見いだそうとしている。英仏などによる「デジタルサービス税」の導入もその一環だ。IT大手のネット広告事業などに限定して売上高の一定割合を支払わせる仕組みで、法人税より確実に徴税できる。

こうした動きの最前線は米国だ。各州が売上税と呼ぶ間接税で法人税収の穴を埋めようとしている。州外への企業流出に悩んだオハイオ州は05年に法人税から売上税に移行し、テキサス州なども法人税をなくした。

この流れを加速させたのが18年の米連邦最高裁判決だ。企業が店舗や物流施設といった「物理的拠点」を置かない州は売上税を徴収できないルールを改め、置かなくても徴収できるようにした。

こうした課税は「アマゾン税」と呼ばれ、米税務ソフト会社アバララによると導入した州は既にニューヨーク、ミシガンなど24に達する。20カ国・地域(G20)とOECDはデジタル時代に対応した法人税ルールを見直しているが、取引や売り上げをベースにしたより確実な課税に傾く流れは止まりそうにない。

【所感】
 取りやすい消費税から取るという発想は極めて危険で好ましくない話ではないか。
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