諸葛亮の軍事行動

三国志演義の諸葛亮は、少数の兵力で奇策をもって大軍の相手を撃退する天才軍師のような
描かれ方が多い。

初陣の戦いからしてそうだ。狭い道に誘い出す。火の力で兵力の差を埋める。
最も効果的な場所に伏兵を置く。

流石に現実離れした諸葛亮考案の”大量殺人兵器”のようなものを出さないのは、物語の良心と
言うべきか。

正史の諸葛亮は、あくまでも領土を奪い、その土地の人を味方にすることを最終目的とした
軍事行動であり、多数の死傷者を出すような戦闘を考えていない。戦闘に勝ち、手に入れた
土地の領民に受け入れられる政治的な配慮も考えた軍事行動だったのではないかと思う。

だからこそ、魏を相手にして簡単に領土を広げることがかなわなかったのかもしれない。