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英、外資の買収規制強化 中国念頭、技術流出防ぐ アームとエヌビディアの事案、安保面で調査 [今日の日経記事から]

英政府が外国企業によるM&A(合併・買収)の規制強化を進める。中国を念頭に通信など重要分野の技術流出防止を目的とした「国家安全保障・投資法」が4月末に成立した。米半導体大手エヌビディアによるソフトバンクグループ(SBG)傘下の英アーム買収も安全保障面で調査する予定で、買収承認に影響する可能性がある。

同法は人工知能(AI)、量子コンピューター、通信、防衛、エネルギーなど17分野が対象だ。これらの分野の英国企業に投資する際は、政府への事前の届け出を求める。安保上問題があると判断した場合、政府は取引を阻止することができる。約20年ぶりの投資規制改革で、保護対象となる業種を広げた。

事前の届け出などで企業が違反した場合、世界売上高の5%か1000万ポンド(約15億円)のいずれかの大きい金額を科す。審査は30日以内に終えるという。

英国はかつて中国との経済的つながりを優先し「黄金時代」と呼ばれる蜜月関係を築いたが、状況は変わっている。

与党・保守党内では2020年4月、対中強硬派の「中国調査グループ」が結成されて発言力を持つようになった。英政府は同年7月に、中国の通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)を高速通信規格「5G」から排除することを決定。11月には国家安全保障・投資法案を議会に提出した。

「中国は英国よりはるかにテクノロジーが進んでいる。その国に民主国家である我々のセキュリティーを任せてよいわけがない」。保守党のある議員は中国を警戒する背景をこう解説する。

5GやAIなど様々な分野で中国の技術力は高まる。中国企業が英国企業を支配することになれば、技術流出などを通じて安全保障上の脅威になりかねない。米中対立もあり、中国依存への見直し機運も高まる。

英政府は、通信会社がファーウェイを排除しなかった場合、最大で売上高の10分の1の罰金を科す「通信セキュリティー法案」も議会に提出しており、対中強硬姿勢を強めている。

これら以外にも、安全保障面から投資を規制する動きがある。英政府は4月19日、エヌビディアによるアームの買収が安保上の問題がないか調査すると発表した。英国の競争当局である競争・市場庁(CMA)が市場競争上問題ないか調べているが、これに加えて安保面でも精査する。

エヌビディアとアーム親会社のSBGは20年9月、エヌビディアによるアーム買収で合意したが実現に向けたハードルが1つ増えた。ダウデン英デジタル・文化相は安保面での調査について、「英国のテック産業を支援し、外国からの投資を歓迎したいが、今回のような取引については安保上の影響を検討することが適切だ」と説明している。

英国は20年に欧州連合(EU)を離脱し、独自の成長政策を打ち出している。テックや再生可能エネルギーなどでは投資誘致を強化しており、20年11月には投資局を国際貿易省内に立ち上げた。安全保障上の脅威を取り除きつつ、外資を活用することで経済成長につなげる。

【所感】
英国の困惑、懸念はもっともだと思う。
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