趙雲・・・格好いい武将

趙雲は三国志ファンに登場人物の人気投票をさせたら、恐らくベスト３、最低でもベスト１０に
入るであろう人気の高い武将だ。
武人であるが、ただの荒々しい人物にあらず。人間的な深みを持った人物であると思う。
趙雲の人気の高さは色々あると思う。
１．ＮＨＫの人形劇三国志
劇中でも五指に入る容貌で作られている。
２．コーエーのゲームの顔のグラフィック及び能力値
やったことがある方ならなおわかりだろう。
３．三国志演義での活躍場面の多さ
作者の羅貫中が同郷ゆえか、正史の趙雲の記事量の少なさからは想像できない程活躍
させている。
正史の中での趙雲も実際好人物だ。敗軍にあって自ら殿を務め、軍の被害を最小限に抑え、
諸葛亮が喜び恩賞を与えようとすると、「敗北なのに私が恩賞を頂いてはあなたの賞罰に
差別ありとの批判の恐れがあります。冬の寒い時期に兵卒にその恩賞の品々を与えて
士気の高揚に役立ててください」と固辞した。
また、主君の劉備が配下の関羽の弔い合戦として呉を討伐しようとしたときに、「大儀としての
敵は魏であり、魏と戦うならば、義心のある人は殿の味方にはせ参じるでしょう。呉と戦うのは
私怨であり、誰も味方をしないでしょう。討つべきは魏です。」
と戒めた。結果、劉備はその意見に従わず呉と戦ったが、呉に敗れた劉備の敗走を救ったのは
趙雲に拠る所が大きい。
趙雲はでしゃばらない人物で、欲の無い人物。それでいながら戦功を上げ続けた人物。
正論をきちんと述べ、方針が決まると黙って従う人物。それが趙雲だったようだ。
これは恐らく私だけではないと思うが、趙雲という人物は最後の活躍の場面である”北伐”で
老将と表現されるまでは、常に格好のいい若武者のイメージを保ち続けている。趙雲こそ
”格好いい武将”である。