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WHO「低カロリー食品の甘味料控えて」 体重管理に貢献せず 勧告に業界は反論 [今日の日経記事から]

低カロリーをうたう飲料や食品に使われる甘味料をめぐり、世界保健機関(WHO)が体重管理や病気予防のための摂取を控えるように勧める指針をまとめた。280件以上の研究報告をもとに「長期的には体重管理に役立たない」とした。甘味料業界の国際団体は「科学的に厳密ではない」と反論している。


アスパルテームやアセスルファムK、スクラロース、ステビアといった人工や天然の甘味料は非糖質系(ノンシュガー)と呼ばれ、砂糖などの糖質系甘味料よりもカロリーが低い。低カロリーやゼロカロリーをうたう飲料や食品に日本でも広く使われる。

WHOは新たな指針で、体重管理や糖尿病などの予防のために非糖質系甘味料を利用しないことを勧告した。非糖質系甘味料と健康や病気に関する世界の283件の研究を総合的に分析し、5月に指針をまとめた。

分析の結果、非糖質系甘味料は3カ月以内の短期間では体重や体格指数(BMI)を下げる効果があったが、6~18カ月の長期間になると体重を減らす効果はみられなかった。

長年にわたって摂取した場合、脳卒中などの心血管疾患や2型糖尿病のリスクが上昇するなど「望ましくない」影響が出る可能性も指摘した。2型糖尿病の発症リスクは20~30%程度、脳卒中は19%、心血管疾患全体では32%の増加がみられた。

WHOの担当者は「体重管理には果物や無糖の飲料や食品など他の方法を検討する必要がある」と指摘する。そのうえで「非糖質系甘味料は必須ではなく栄養価もない。健康増進のためには早いうちから食事の甘味を減らすべきだ」とした。

WHOの指針や勧告に強制力はないが、各国当局の規制などへの影響も予想される。ただ、WHOも指針の科学的根拠には不確かな部分があるという限界を認め、「勧告を踏まえた政策決定は各国特有の文脈の中での議論が必要になるだろう」としている。

砂糖など糖分の取り過ぎは肥満や糖尿病などの原因になる。WHOは2015年に砂糖の摂取量を減らすよう勧める指針もまとめている。糖分やカロリーを抑える代替手段として非糖質系甘味料が注目され、飲料や食品での利用が広がってきた面がある。

甘味料の業界団体はWHOの指針に反論する。国際甘味料協会は低カロリーやゼロカロリーの甘味料が「体重管理に役立つと認めないことは公衆衛生上の不利益」などとする見解を公表した。

そのうえで「科学的に厳密ではなく、強固な根拠に基づいていない。糖分などの摂取制限が必要な人に誤解を与える可能性がある」と指摘した。

清涼飲料業界の業界団体である全国清涼飲料連合会(東京・千代田)は、国内製品で人工甘味料で体脂肪を減らしたり生活習慣病を予防したりする機能をうたっている商品はないといい、「(WHOガイドラインに)コメントはなく、会員企業に対応を促すことはしていない」という。

英ケンブリッジ大学のニタ・フォロウヒ教授(栄養疫学)は「甘味料は短期的な体重管理のための手段にはなり得る」とする。一方で「長期的な体重管理や病気予防のための利用が推奨されない点は重要だ」と話す。

指針への反応は様々で、フォロウヒ教授は「指針を実行に移すには政策立案者や公衆衛生当局、食品メーカーなど多くの関係者の協力と、最終的には個人の行動変容も必要になる」と指摘する。

【所感】
悩ましいのは「低カロリー」を謡っていない商品がそれではどうなのか?という別の問題。
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