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円安で遠のく欧州の味 パスタやチーズ、国産品に需要シフト [今日の日経記事から]

チーズやパスタなど欧州からの輸入比率が高い商品で、消費者の国産志向が鮮明になってきた。背景には、足元で15年ぶりの水準に達する円安・ユーロ高がある。欧州からの輸入品で価格の上昇が著しく、消費の現場では値上がり率が相対的に低い国産品を求める動きが広がっている。

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「フランス産のチーズが大好きだが、値上げもあって最近は少し買いづらくなった」。都内のスーパーを訪れた30代女性はこう語る。

全国のスーパーの販売データを集めた日経POS(販売時点情報管理)情報で「ナチュラルチーズ」のうち輸入量が多いオランダ、ドイツ、アイルランド、イタリア、フランス製品の販売動向を調べた。


2023年5月時点の来店客1000人あたり販売金額を見ると22年5月から9.9%減だった。国産品も含めた全商品では同0.4%増えているのに対して、欧州産の売れ行きの低調さが目立つ。

欧州からの輸入比率が高いパスタでも同様の傾向が見られる。「乾パスタ」のうち輸入量が多いイタリア、ギリシャ製品の来店客1000人あたり販売金額を調べたところ、23年5月時点で同1.5%増にとどまった。一方で全商品では同10.2%も増えている。

背景には、ここ最近の記録的な円安がある。先週の外国為替市場で円相場は1ユーロ=155円をつけ、およそ15年ぶりとなる円安・ユーロ高水準に達した。

チーズ、パスタ、ウイスキーなど欧州からの輸入が多い品目ではユーロ高の影響が大きい
チーズ、パスタ、ウイスキーなど欧州からの輸入が多い品目ではユーロ高の影響が大きい

昨年、円相場は1ドル=150円台をつけ、輸入品の値上がりが生活に打撃を与える「悪い円安」が話題になったが、対ユーロでみると実は足元の円安は昨年以上だ。22年5月下旬時点では1ユーロ=135円前後を推移していたことを考えると、1年間で円のユーロに対する価値が1割以上目減りした計算になる。

輸入の際には一定の割合でユーロ建ての決済が行われていると想定できるため、対ユーロでの円安は欧州から輸入する食品価格の上昇要因となる。「ドル決済に比べれば少ないがユーロ決済の商品も少なくない。円安・ユーロ高の影響は出ている」(関西地方の食品商社)。

為替相場の影響で値上がりが著しい欧州製品の代わりに、相対的に値上げ幅が小さい国産品を志向する消費者の姿が透けて見える。

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特定の商品の価格動向を見ると、欧州製品の値上がりは一目瞭然だ。欧州産ナチュラルチーズで最も販売金額が多い「ジェラール ブルーチーズ 125G」では、23年5月時点の平均価格が724.6円と約2年で17%も上昇した。欧州産の乾パスタで一番人気の「ディ・チェコ スパゲッティーニ NO11 500G」の価格も同17%上がった。


英スコットランドからの輸入が多い「ウイスキー」の価格上昇も目立つ。英国産ウイスキーで販売金額が最も大きい「IWAJ バランタイン ファイネスト 瓶700ML」の平均価格は23年5月時点で1119.8円と2年間で12%上昇。2015年12月以来7年半ぶりとなる足元の円安・ポンド高水準が一因となっている。

第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストは「腕時計、指輪、ワインなど付加価値の高い高級品は消費が好調な分野だけに、企業が通貨高のコスト増を価格転嫁しやすい」と指摘する。

ドル高の陰に隠れがちなユーロ高。日常使いの食品から趣味として楽しむ嗜好品まで、その影響は幅広く消費の現場に表れている。

【所感】
国産品で満足できる私は幸せ者なのだろうか。
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