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気候変動サバイバル1 「もう限界」失意の大移動 [今日の日経記事から]

「気候変動は本当に最低だよ」。米南部ルイジアナ州ニューオーリンズから車で約1時間。クリス・ブルネイは2022年9月に引っ越したばかりの自宅前でつぶやいた。南東約60キロメートルにある小島「アイル・デ・ジーン・チャールズ」から米本土に移り住んだ。

気候変動に備え、高床式に改造した住宅も。1955年以降、島の9割以上が浸食されたという(米ルイジアナ州)
気候変動に備え、高床式に改造した住宅も。1955年以降、島の9割以上が浸食されたという(米ルイジアナ州)

ハリケーンの雨量と風速が年々増し、メキシコ湾沿岸の陸地は浸食されてきた。かつて住んでいた小島のあるデルタ地帯は、激しくなる気候変動を象徴する場所だった。1955年以降、島の9割以上が浸食されたといわれている。

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島で生まれたのは1965年。幼少期には60~80世帯が住んでいたのを覚えている。雑貨店やガソリンスタンドもあった。2003年には自宅を高床式に改造したが、突風と高潮の恐怖から解放されることはなかった。

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、天災によって世界で毎年2150万人が家を追われていると推定する。国連の気候変動に関する政府間パネルの報告書によると、向こう30年間で1億4300万人が海面の水位上昇、干ばつといった気候変動で移住を余儀なくされると予想される。

長らく水と苦楽をともにしてきたブルネイにとっても、近年の悪天候の猛威は限界を超えていた。21年のハリケーンでは自宅が損傷し、修理費用を捻出できなかったため庭に置いたキャンピングカーで寝泊まりするようになっていた。

22年9月、最後に残った約30世帯が政府の支援で本土の新興住宅地へ集団移住した。「自分のすべてのアイデンティティーがあの島にあった」。ほぼ誰もいなくなった島には朽ち果てた住宅ばかりが残る。

米環境保護局(EPA)によると、先住民は平均的な米国人よりも海面上昇のリスクがある土地に住む傾向にある。先住民、ジーン・チャールズ・チャクトウ族のブルネイも、200年近く前、白人に追われてルイジアナの小島にたどり着いた人々をルーツに持つ。

米内務省は22年、北部アラスカ州と西部ワシントン州で暮らす3つの部族の集落が内陸部などへ移住するのを支援すると発表した。温暖化で凍土が解けたり、海水が浸食したりして生活に支障を来していた。米会計検査院によると、アラスカ州では70以上の先住民の集落が気候変動による何らかの危険にさらされている。

【所感】
ことはアメリカだけの話ではない。日本の強風の深刻化もなかなかのものだと思う。
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