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災害支援、シェア生かす [今日の日経記事から]


いつ起きるか分からない災害に、「シェア」の発想で備える動きが広がってきた。企業や団体が自治体と連携して必要な物資を融通し合ったり、ネットを使って復旧や生活再建のための人手やサービスを仲介したり。どうしても生じる「足りない」を補う手段として注目を集めている。



WOTAは屋外シャワーの納入先に、災害時の貸し出しを呼びかけた

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WOTAは屋外シャワーの納入先に、災害時の貸し出しを呼びかけた





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「被災地のためにシャワーを使わせてもらえませんか」。東京大学発のスタートアップ、WOTA(ウォータ、東京・文京)が納入先の自治体や企業に呼びかけた。


同社は限られた水を繰り返し浄化・循環させて使う屋外シャワーを開発。小型で水の使用量は通常の50分の1だ。ただ、地域単独で十分な数をそろえるのは難しい。そこで被災地近くの納入先にシャワーを一時貸してもらう形を考えた。被害が大きかった2019年の台風15号では茨城県境町から協力の申し出があり、千葉県多古町を支援した。




15の団体と連携




19年10月の台風19号ではフランスベッドやDHC、立教大学など15の企業や団体と連携。シャンプーやせっけん、着替えの下着、介助の人員や用具も提供してもらい、長野市内で14台展開した。住民にも好評で、支援する側からは「使い方を確認、訓練する機会になる」との声も届いた。


前田瑶介最高執行責任者(COO)は「非常時には必ず不足するモノが出てくる。融通し合う『社会的備蓄』の考え方を広めたい」と語る。


モノやスキル、時間をネットを通じて共有するシェアリングエコノミー。大和総研の市川拓也主任研究員は「災害時こそシェアが補完役になり得る。ITインフラ活用で地域を超えた大きな助け合いの輪が作れる」と話す。サービスが定着し、利用者の抵抗感も薄れてきている。




新型コロナでも




シェアサービスは、新型コロナウイルスへの対応にも力を発揮し始めている。スマートフォンアプリを通じて医師に相談できるドクターシェア「LEBER(リーバー)」は発熱や感染が心配な人向けにサービスを無料開放。2月12日から月末までに300件近い相談を受けた。


休校措置で困っている家庭への支援も。子供を預け合う「子育てシェア」のAsMama(アズママ、横浜市)は預かる側に報奨金を出し、受け皿拡大に動く。ベビーシッター仲介のキッズライン(東京・港)も割引を始めた。


民泊も災害時の受け皿となる。最大手の米エアビーアンドビーには災害時にホストが部屋を提供できる仕組みがあり、16年の熊本地震などで使われた。


徳島県は「シームレス民泊」を掲げる。南海トラフ地震を見据え、阿南市の高台に位置する4カ所に民泊拠点がある。普段はお遍路の客らを受け入れ、災害時は避難所として活用する。「地域活性化と災害インフラの両面で人がつながる場にしたい」(地元協議会の西川達也会長)


高齢化や人口減少でコミュニティーが細る地域は多い。災害に単独で備えるのには限界がある。災害時の「共助」を広げる存在として、民間主導のシェアに期待が寄せられている。


■普段も使用、備えのカギ
 シェアサービスは身近になってきた。移動手段ならライドシェアやシェアサイクル。スキルシェアではビジネス相談や習い事などだ。災害時に備える動きも目立ち、シェアリングエコノミー協会では検討チームを設けた。
 一方で災害時の利用が定着するには課題も多い。大和総研の市川氏は「シェアサービスを普段使っていないといざというとき利用を思いつかない。認知度を上げる取り組みが必要」と指摘する。
 活動に必要な経費も悩みどころ。仲介業者や支援者の負担が重すぎれば続かない。自治体や関係団体と情報共有しないと、支援が重複したり必要な場所に届かなかったりする。助け合いの輪を機能させるには、地道な準備が欠かせない。

【所感】
嫌なニュースが多い最近にあっては珍しく良い記事。
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今日の一言その3860 [今日の一言]

くつろごう。
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