コロナと東京都知事選 [今日の日経記事から]
◆「本当に選挙戦をやっているのかな」。こう思ったことを鮮明に覚えている。自宅の近所の小学校に設置された候補者のポスターが並ぶ掲示板を眺めていた時だ。今から9年前、2011年4月の東京都知事選の話である。4選を目指す現職の石原慎太郎氏のほか、東国原英夫氏や渡辺美樹氏らが立候補していた。
◆石原氏が出馬表明したのは東日本大震災が発生した3月11日だった。原発の事故に伴う計画停電が続くなかで選挙戦は始まり、候補者は大規模な街頭演説や集会を自粛した。メディアも被災地の苦境や原発の様子を伝えるのに手いっぱいで選挙報道は吹き飛んだ。「論戦なき選挙」だった。
◆18日の告示まであと2週間余りとなった今回の都知事選も似たような風景になるのだろうか。小池百合子知事が再選へ出馬するのは間違いないだろうが、コロナ禍のなかで自民党は独自候補の擁立を見送った。今後の感染状況に関係なく、候補者は9年前と同じように街中の選挙運動を控えざるを得ないだろう。
◆最近の2カ月の体験が強烈だったためか、「コロナ以前」の風景がかすむ。それでもこの4年間に様々な出来事が都政でもあった。豊洲市場を巡る騒動や五輪施設の見直し、知事による「希望の党」の旗揚げなどだ。今回の知事選の最大の争点はコロナ対応だが、それだけが都政ではない。
【所感】
国政並の注目度の都知事選。小池さんの続投は揺るがないと思うがどうだろう？
